2017年10月 第48回衆議院議員総選挙 (福岡)

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■福岡小選挙区
前回の衆議院選挙での福岡小選挙区は自民党が分裂した福岡1区以外は自民党独占の流れが完全にできていたのだが、今回は違った。福岡2区と福岡10区で自民党候補に勝てる可能性が出てきたのだ。福岡2区は無党派層のリベラル色が強く、福岡10区は加計問題で醜態を大きく晒した山本幸三の選挙区であった。一日一日で風が変わって終盤では福岡9区でも自民党候補に対して追い上げがあった。結果として、福岡全選挙区で前回と同じ自民党独占になったのだが、福岡2区は最後までほぼ横一線の僅差で、福岡10区は自民党が得意の組織戦でなんとか切り抜けた形になった。民進党が分裂せず、共産党が無謀な候補を出さなければ、福岡2区、福岡9区、福岡10区は確実に自民党候補が落選していた。

福岡6区では故・鳩山邦夫の次男の鳩山二郎が昨年の補選で反目に回った自民党福岡県連と早々に和解して自民党の基盤を固めた。希望の党は昨年十月の補選で小池百合子が鳩山二郎の応援を行った通りに鳩山家と親交があるため、民進党の新井富美子を公認せず「擁立見送り」とした。(新井富美子は無所属で立候補するが落選)

福岡1区は元々は民主党の松本龍の鉄板地区だったのだが、民主党政権時代の傲慢な発言で陥落。ゼネコンの松本組の力も及ばず、今では見る影もなく、福岡1区は希望の党、立憲民主党、共産党と野党が乱立して自滅したことにより、自民党候補の圧勝となった。

■希望の党
福岡でも希望の党が信じられない行動を行った。福岡3区で元々の民進党候補の山内康一が10/1に事務所開きを行ったのだが、希望の党の公認から排除されて立憲民主党に参加意向を示したところ、同じ事務所開きに参加して山内氏の隣で団結頑張ろうのマイクを握った民進党県議の仁戸田元氣に対抗馬を要請したのだ。仁戸田元氣は山内氏の対抗馬として一度は立候補を表明したのだが、福岡3区は民主党時代にリベラル派だった藤田一枝氏の牙城でもあるし、希望の党の要請を断って出馬辞退を表明。数日前まで事務所開きまで参加していた側近の人間を対抗馬に画策したのだ。

10/16(月)、天神で希望の党、小池百合子の街頭演説を行なったのだが、なんと同じ希望の党の候補である福岡5区の楠田大蔵を街宣車の上に上がらせず、街宣車の横に立たせたのだ。希望の党の言い分は街頭演説を行なった天神は福岡2区の選挙区だから福岡5区の候補を街宣車の上に上がらすわけにはいかないとのことで、まさかの同じ党の候補の人間を同じ場所に立たせることすら排除したのだ。結局、楠田大蔵は聴衆の中に混じって小池百合子を見上げる形になり、当のかなりの不満を露わにし離党まで示唆した。

■公明党が1議席を落とす
公明党は九州では比例のみの立候補なのだが、選挙前の4議席確保がヤバいと踏んで、投票日2日目前にテコ入れで山口那津男代表が登場。しかし、結果は1議席減の3議席となった。

■顕正新聞
関東で自民党の街頭演説の傍らで顕正会が顕正新聞を突き付けて抗議する姿が話題になったのだが、天神でも同じ顕正新聞「安倍ペテン政権」特集号を配っていた。