2014年6月27日(金) ロフトプラスワンWEST
噂の真相プレゼンツ「今こそ反権力ジャーナリズムの狼煙を上げろ!」
出演:岡留安則、青木理、久田将義


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噂の真相が休刊から10年が経過した。
タブーなき雑誌で、何でも書いていた。
トータルに何でも書いていたのは噂の真相だけだった。

特定秘密保護法がなし崩しに施行されようとしている。
沖縄では米軍の機密情報がいっぱいあり、メディアは存在すら危うくなるくらいの規制がかけられる。

集団的自衛権の行使も含めて、戦後の大きな転換点。
戦争もできる、アメリカとともに地球の裏側まで行けるようになる。
戦後の国策を見直す、新自由主義、富国強兵策に近いことを打ち出しているので、
安倍政権は非常にやばい。
メディアはチェック能力を失っている。
これだけ問題のある法案を通しても、批判が弱すぎる。
安倍政権はやりたい放題になっている。
野中広務すらがリベラルに見える状況になっている。

集団的自衛権行使容認をなぜ今やるのか。
中国や北朝鮮の脅威、朝鮮半島有事があるとか言われているが、10年前、15年前から変わらないこと。
目的なきタカ派路線となっている。
しかも、数の力で閣議決定を行うので、何でも法案が通過するのも同然の状況。
自民党内で、野中広務みたいに批判する勢力がいなくなった。

メディアの批判力が失われている。
安倍首相の発言は官僚が用意したもので、専制政治が止まらない。
アベノミクス失敗、スキャンダルとかない限り、安倍首相の失脚はない。勢いも止まらない。

安倍政権の閣僚でスキャンダルは出ているが、メディアの追求も弱い、また、
昔なら自民党内部から批判の声が大きく上がったりしたものが今はないので誰も辞めたりしていない。
イケイケドンドンは止まらない。
何でもなし崩しで押し切るファジーな体質。
メディアが奮起しないと、安倍政権に楔を打つことができない。

東京都議会のヤジ問題。
その昔、青環法改正でマンガやアニメを取り締まれと言い出したときがあった。
実際に被害者がいるわけでもなく、表現言論の自由を脅かすもので、
あの生活者ネットが反対に回ったが、そのときの反対討論の都議会のヤジはすごかった。
「お前はエロ本を読むのか」「お前、痴漢されて喜ぶのか」とかすさまじかった。
今回の都議会のヤジはあのときに比べるとおとなしい。
塩村議員はミスヤンマガで恋の空騒ぎにも出ていたからかもしれない。

石原慎太郎が警察官僚の竹花豊を東京都副知事に招き入れた。
警視庁の予算は東京都が握っている。
これまでの都知事は警察官僚を中に入れなかったのだが、石原慎太郎は招き入れた。
石原都知事が竹花豊を東京都副知事に招き入れ、入管管理局も名古屋から呼び、
2003年ごろから歌舞伎町浄化作戦が始まった。
四都市浄化作戦・・・六本木、歌舞伎町、池袋、渋谷
今の時代の状況はこのころから始まった流れではないのか。

歴史を見れば、歌舞伎町はいつも浄化作戦の対象になっている。
東京オリンピックがあることから、国際的に見てもイメージダウンにもなるから、
これからも浄化作戦は続くだろう。

歌舞伎町浄化作戦は御上視線から下々を取り締まるというのにマッチした。
歌舞伎町は無秩序で付け入るスキはいくらでもある。
東京都と警視庁の予算は連動している。
警視庁の予算を配分するのは東京都である。
東京都がリーダーシップを取れば、警視庁は動かざるを得ない。

歌舞伎町を支えている人間の中にもモラルの低下、退廃がある。
そこに御上が目をつけてくる。
全国的にも同じで、沖縄も同じ。
警察は風俗を取り締まることで、利権を拡大している。
西川口は風俗のメッカであったが、暴力団を徹底的に追い出して
警察OBの組合を作って、みかじめ料を取るような利権の奪い合いが起こっている。

風俗業界は消えたり、蘇ったりの繰り返しになるのでは。

暴力団排除条例、児ポ法改正など、反対できない法を出してくるのは
石原都知事ぐらいから始まって、安倍政権でも使われている流れ。
「お前は暴力団を肯定するのか」と言われるが、そうじゃない。
暴力団として生きるしかなかった人たちを強く排除しても、もっと地下に潜るだけ。
住むところを追い出すなどあるが、暴力団にも基本的な権利がある。
暴力団排除には世論が味方しているのが怖い。

日刊ゲンダイとかでも警察の立場から暴力団を戒めるような記事が多くなっている。
現場にもジワジワと浸透している。

暴排条例で警察の天下り先は広がっている。
暴対法、暴排条例、風営法改正、商法改正のときも同じであり、警察は国営暴力団。

警察から暴力団排除しろと言われても、実際には排除できない。
一番簡単なのは警察OBを会社の内部に入れること。
暴力団かどうかの問い合わせもできるし、不祥事の封じ込みもできる。

新聞社、テレビ局も警察OBを受け入れている。
暴力団排除条例に反対とか言えなくなる。

小保方事件で、噂の真相を書くとしたら以下。
小保方、関係者にアプローチする。
ドロドロの男女関係もあったのかもしれない。
理研は予算が欲しくて、小保方を無条件で入れた形なのに、
小保方一人にせいにしてシッポ切りにしようとしている。
STAP細胞はあるなしにしても、そのシステムにメスを入れる記事を書くだろう。

小保方が最初に登場したときはノーベル賞候補として異例の持ち上げをしていた。
理研も話題になることで、予算がおりるとしていた。
早稲田卒業、ハーバード留学の経歴で、あの割烹着、机の上にはキティちゃんなど、
メディア対策は抜群にうまかった。

メディアのとっかかりの取材能力が落ちている。
取材をすれば気付いていたのではないのか。
佐村河内の事件も。

石原伸晃は二度と浮上することはないだろう。
海江田万里も浮上しないだろう。

渡辺淳一は川島なお美とのスキャンダルを何回書かれても平気で逆に喜んでいた。
それくらいの人間力がないと、あれほどの恋愛小説は書けなかっただろう。
噂の真相がなくなって一番にさびしいと言ったのが、渡辺淳一だった。
他の作家はすぐ訴えてきて裁判とかもいろいろあった。
書く仕事なんだから、書かれてもしょうがない。
しかし、書く側が書かれてすぐ訴えるのは多く見てきた。

宮台真司も噂の真相に書かれて喜んでいた。
ただ、子供が産まれて、保守化したせいか、昔みたいなスキャンダルもなくなった。

噂の真相がなくなって、まったく書かれなくなったのが「文壇」である。
今ではほとんど書かれなくなった。

銀座で呑む若手の作家はサラリーマン作家が多くなった。
男女関係のトラブルはマイナスとしかとらえない。
渡辺淳一は芸の肥やしとして、そもそも人間がこなれていないと恋愛小説なんて書けない。

噂の真相は以下の役割があった。
・他にはどこに書けなくての暴露場所
・みんなが騒いでいるのに対して、まったく逆の斬り方をする

例えば、ビートたけしが細川ふみえの家に行く途中にバイクの事故を起こした事件。
噂の真相では自殺ではないのかと指摘していた。
ヤクザ、右翼に脅されていた、と。
大手メディアではこの指摘はできなかった。

ワールドカップの放映権料は400億円。
視聴率を上げないと回収できない。
日本がワールドカップでどれだけのレベルはわかっているのに、
視聴率を上げるために煽り過ぎ。
頑張れ日本と言えば、それがウケる。
まったく冷静に分析できておらず、もしここがだめと分析したら
叩かれることから事なかれ主義にもなっていた。

その影に安倍政権。
大衆がワールドカップなど目を取られているときに重要な法案を通すのは常套手段。

スポーツジャーナリズムは、スポーツは熱狂的になりやすいので、
それを冷静に分析するのがあり方。
今回の日本が何故だめだったのか冷静に分析する必要がある。
セルジオ越後のみ。

AKBのメディア対策は巧妙。特に、秋元康の弟。
相当、メディアに食い込んでいる。
メディアは一線画さないとだめ。
AKBは情報番組に出まくっており、それがテレビ番組の衰退に続く。
AKBは新興芸能勢力。
AKBはタブーではない。バーニングの方がタブー。
その程度のAKBに臆している。
だめなところはだめと言えていない。
AKBサイドは写真集、グラビアとかで出してあげるとかしている。
握手会の襲撃事件、AKBも甘かったし、メディアのチェックも甘かった。

人のことを書くということは自分のことを書かれるのは当然。メディアの原点。
しかし、自分がやっていることを自分にやられると許せいないというジャーナリストも多い。
了見がせまい、小さい人間はすぐに訴えてくる。
田中康夫は何か書かれても平気だった。
噂の真相で、田中康夫の下半身を暴くとして、スチュワーデスの座談会までした。
田中康夫自ら付き合った四人を連れてきた。

田中康夫のペログリ日記は、田中康夫が政治家の路線になってから急激につまらなくなった。

岡留安則編集長が唯一胃潰瘍になったのが、宅八郎。
本田勝一は自分が書かれると過剰に反応してきた。

沖縄の店は自由に来ていい。
今年の秋11月に沖縄県知事選がある。
沖縄の命運をかける重要な選挙となる。

北野誠事件はバーニングの圧力。
北野誠はもっとバーニングに対抗すればよかったのではないか。
対抗すれば、メディアとかが応援する形になっていたかもしれない。
しかし、最終的には対抗しなかった。対抗言論をしなかった。
ほとぼりが冷めて出してもらうことを選んだ。
学会説とかいろいろと流れた。
こんなときに噂の真相があれば、タブーを破り、ズバリと指摘したところだが、
そのようなメディアが現在ない。
バーニングには触れない方がいいという空気が流れるのは非常によくない。

週刊誌以外、調査報道をしなくなった。

噂の真相で訴訟は25年の間に50件あった。
週刊誌も裁判を恐れて、なるべく危険な記事を書かない風潮がある。

雑誌は編集長の個性が全面的に反映される。
作っている人のキャラが表れる。
噂の真相の復刊メンバーとして、青木理氏、久田将義氏の二人にまかせきれない。
まだ役不足。
メディアを取り巻く状況も変わったので、簡単に復刊はできない。

元々、川端元副編集長が復刊させる予定だったのだが、
例の日本青年社の暴力事件で降りてしまった。

世の中の流れに冷や水をかけるのが週刊誌の役割。

橋下徹は発想力も奇抜、発信力もある。
石原慎太郎との分裂は想定内、結いの党ともいずれ分裂するだろう。
一人でパフォーマンスするタイプで、組織、政党に向かないのでは。
維新の会はあまり持たないだろう。
佐野真一の事件では橋下徹の方が一枚上だった。
本人だけではなく朝日本体にかみついた。
朝日は組織問題になるのがいやだから、連載をやめることにした。
こういう政治戦略はうまい。

元噂の真相スタッフの中で、違うメディアに行って正反対のことをしているスタッフもいる。
噂の真相は岡留安則編集長が君臨して、その下でスタッフが自由にやれた。それが噂の真相になった。
新聞は自由にやれない。自由にやれないのでクオリティが下がっている。